住宅ローンの金利、今は本当に底なのか?

(写真=travellight/Shutterstock.com)

経済ニュースなどで「低金利が続いている」と言われている住宅ローンの金利。
あまりに長く続いているため、「今の低金利が当たり前。まだ下がる」と思う人がいるかもしれません。
今後のことは誰にもわかりませんが、過去の金利から現在の水準を知ることも、今後の金利を見通す参考になります。

バブル期には最高8.5%だった変動金利型

まずは「変動金利」の金利の推移をみてみましょう。

「変動金利」の金利は日本の政策金利に連動しています。つまり、金利の上昇下降は日本の景気を現しているとも言えます。
そこで、過去の金利の動き、どんな出来事があったのか金融政策から振り返ってみます。
変動金利の金利が最高額になったのは、1990年10月から1991年2月の8.5%です。
この頃の日本の政策金利であった公定歩合は最高6%にまで引き上げられていました。
その後、バブルは崩壊し、景気は急速に後退。1995年9月の公定歩合は史上最低の0.5%にまで下げられました。この時点での変動金利型の金利は2.625%です。

<変動金利型の金利の推移>

※日本銀行短期プライムレートの最頻値より編集部作成

利上げされるものの、結果的には長引く低金利時代

景気の低迷から、1999年にはとうとうゼロ金利政策が導入されます。
このころから公定歩合に代わって、「無担保コール翌日物」という金利が日本の政策金利の役割を果たすようになっていました。1999年の2月に無担保コール翌日物の金利は当時史上最低の0.15%となり、この時点での変動金利型の金利は2.375%でした。

2016年の年末の変動金利型の金利は2.475%ですから、ゼロ金利時とほぼ同じ水準です。
しかし、実はこの間には金利が上がりそうになったときがありました。
経済が正常化に向かったとして、2006年7月にゼロ金利は解除され0.25%の利上げ、翌2007年2月にも再度0.25%の利上げがありました。
これを受け、変動金利の金利も0.25%の引き上げが2回あり、1年で0.5%上昇したのです。「このペースで金利が上がるのかも」という予測から、住宅ローンの借り換えが進んだ時期でもあります。

ところが、2008年9月にリーマンショックが起こり、同年中に2回の政策金利の引き下げが行われました。それ以降、利上げが行われることなく2016年まで変動金利の金利は2.475%のまま、長らく低金利が続いています。

長期固定金利は下がり続けてきた

変動金利型は途中利上げがあったものの、1999年以降の水準はほとんど変わっていません。
では、35年の全期間固定など、固定期間が長い金利はどのような動きをしてきたのでしょうか?

「固定金利型」といった期間が長いものの金利は、変動金利のように直接連動する指標はありませんが、10年国債の利率が指標のひとつになるといわれています。

グラフは2009年以降の10年国債と「フラット35」の金利の推移です。
これを見ても、両者の動きはとてもよく似ていることがわかります。そして、上がったり下がったりを繰り返しつつも、全体的には右肩下がり。つまり、金利は低くなってきたのです。

2016年2月、日銀はマイナス金利を採用。10年国債の利率も1%を切り、マイナスになりました。これにより、「フラット35」の金利も下がり、2016年8月に史上最低の0.9%を記録しました。

 

<フラット35と10年国債の金利の推移>

フラット35と10年国債の金利の推移

※日本銀行「国債金利情報」、住宅金融支援機構「【フラット35】借入金利の推移」より作成、国債金利は各月の第一営業日のもの。

金利水準は長い目で判断を

今までの推移から見てみると、変動金利、固定金利ともに、相当な低水準の金利であることがわかります。
すでに借り入れをしている人なら、変動金利へでも、固定金利へでも借り換えを検討するには十分な水準と言えます。
毎月のテレビや新聞で「金利が上昇」と報道されることがよくありますが、これらの報道は前月と比較したものですから、長期的な目を持って判断するようにしましょう。

そして、実際に借り入れする際に適用される金利(適用金利)は、上記のような市場の動きに加え、各金融機関の金利の引き下げがあります。
引き下げ幅が大きいほど適用金利は低くなるわけですが、この引き下げ幅も年々大きくなってきています。それにより、ほとんど水準に変化がない変動金利の金利も実際には低くなっているのです。

市場の動きに加えて、金融機関の動きでも適用金利は変わります。いくつかの金融機関の情報にアンテナを立てておくとより有利な住宅ローンを見つけやすくなります。

 

文/ モゲチェック・メディア 編集部

 

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