あなたは知ってる?住宅ローン控除がいつから誕生したのか

(写真=Africa Studio/Shutterstock.com)

マイホームを購入する際に、どうしても気になるのが住宅ローン控除ではないでしょうか。いつごろどのように生まれた制度なのでしょうか。また、どのように拡大していったのでしょうか。直近10年間の住宅ローン控除についても整理してみました。

住宅ローン控除はいつ頃生まれたのか

日本の住宅ローン控除のルーツをたどると、元になった制度といわれているのが、昭和47年度(1972年度)の税制改正で創設された「住宅取得控除制度」です。その概要は表1のとおりで、所定の期間に着工または購入した新築物件で、住宅ローンの有無は問わず、住宅の床面積に応じた税額控除制度でした。

説明を見て“おや?”と思った人もいるかもしれませんが、「住宅ローン控除」のルーツなのに、「住宅ローンの有無は問わず」となっています。当初は、住宅ローン利用者のみならず、現金で購入した人でも対象になっていたのです。

この制度がルーツとされる理由は、住宅取得後の所得税減税によって、住宅取得を促進し、また家具や家電など関連する消費を促すことで、景気刺激効果を狙うというコンセプトが同じだからです。まさにこれこそが住宅ローン控除の目的と言えます。

バブル期に拡大し、バブル崩壊後も経済対策として拡大

その後、昭和53年度(1978年度)の税制改正で、より現在の形に近い住宅ローン控除が創設されます。当初は3年間で最高18万円までという規模でしたが、住宅取得促進という目的の元、以降は徐々に年間の控除額が拡大し、適用期間も伸び、最高控除額も拡大していきました。さらに、バブル景気に突入し、住宅ローン控除の規模は急速に拡大され、最高額が100万円を超えたのは昭和62年度(1987年度)の改正でした(期間5年、最高額100万円)。

バブル経済が崩壊後は、不況・低成長期から抜け出すための経済政策としてさらに拡大していきます。平成5年度(1993年度)の改正内容は表2のとおりです。実は、この年は2回改正が行われています。10月には「緊急経済対策に基づく改正」が行われ、増改築の範囲や要件が緩和されたほか、木造中古住宅の要件が15年以内に緩和される改正がありました。

その後も景気刺激策として改正が続き、最大控除額は平成11年度(1999年度)に587.5万円となりました。平成16年度(2004年度)以降は、終了予定だった住宅ローン控除制度が継続されることになった一方で、段階的に控除額が縮小されることになりました。しかし、サブプライムローン問題による景気後退を受け、平成21年度(2009年度)には再び最大控除額が500万円へと拡大されました。

過去10年間の住宅ローン控除の内容

最後に、過去10年間の住宅ローン控除の概要を整理しておきます。

平成21年度(2009年度)には一般住宅が最大500万円の控除となったほか、長期優良住宅については最大600万円の控除となりました。以降は、一般住宅と、長期優良住宅あるいは認定住宅(「認定長期優良住宅」と「認定炭素住宅」)の2本立ての控除となっています。

表には示されていませんが、税源移譲が進んだことで平成18年度(2006年度)以降は、所得税で引ききれない控除分について、所定の範囲で住民税からも引けるようになりました。

このほか、消費税増税(5%⇒8%)に伴い、平成26年4月~33年12月(2014~2021年)までは「すまい給付金」が導入されました。住宅ローン減税の拡充による負担軽減効果が十分に及ばない収入層に対して、住宅ローン減税とあわせて消費税率引上げによる負担の軽減をはかるものです。一定の年収以下(目安として年収510万ほど)の人が住宅ローンを利用して家を購入した場合に給付金(10万~30万円)受け取れる制度です(50歳以上は現金での購入も対象)。

住宅ローン控除は、歴史的に見ても現在は高水準の控除額となっていることがわかります。景気刺激策である以上、景気が良くなればいずれは控除額が縮小・廃止に向かう可能性がある住宅ローン控除制度であることは頭に入れておきましょう。

文/豊田眞弓(ファイナンシャル・プランナー)

 

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