持病があっても入れる!ワイド団信


団体信用生命保険(以下、団信)の一つであるワイド団信は、健康上の理由で通常の団信(以下、一般団信)に加入できない方でも加入できるよう加入条件が緩和された団信です。これまで持病をお持ちで住宅ローンを借り入れることを諦めていた方でもワイド団信なら加入できる可能性があります。本稿ではワイド団信の内容及びワイド団信の金融機関毎の違いについて説明します。

1.ワイド団信とは

団信に加入する際、一般的な生命保険と同様に告知が必要です。告知内容によっては一般団信に入れず、住宅ローンが借りられない場合があります。ワイド団信とは、一般団信より加入条件が緩和された団信です。金利上乗せによるコスト負担は必要ですが、過去又は現在健康状態に問題を抱えていても加入できる可能性があります。ワイド団信は加入条件が緩和されているだけで、保障内容は一般団信と同じです。各種団信のカバー範囲についてまとめたものが下記図です。


団信に加入する際の告知内容は以下の3項目です。住宅ローン利用者が下記項目のどれかに該当する場合、その病気の治療の時期、入院の有無、手術の有無、症状の経過などによっては保険会社から一般団信での保険引受を拒絶される可能性があり、その場合に一般団信より加入条件が緩和されたワイド団信を使います。


1 最近3ヵ月以内に医師の治療(指示・指導を含みます)・投薬を受けたことがありますか
2 過去3年以内に下記の病気で、手術を受けたことまたは2週間以上にわたり医師の治療(指示・指導を含みます)・投薬を受けたことがありますか
【告知が必要な傷病】
・狭心症、心筋こうそく、心臓弁膜症、先天性心臓病、心筋症、高血圧症、 不整脈、その他心臓病
・脳卒中(脳出血・脳こうそく・くも膜下出血)、脳動脈硬化症、その他脳の病気
・精神病、うつ病、神経症、てんかん、自律神経失調症、アルコール依存症、薬物依存症 、知的障害、認知症
・ぜんそく、慢性気管支炎、肺結核、肺気腫、 気管支拡張症
・胃かいよう、十二指腸かいよう、かいよう性大腸炎、すい臓炎 、クローン病
・肝炎、肝硬変、肝機能障害
・腎炎、ネフローゼ、腎不全
・緑内障、網膜の病気、角膜の病気
・ガン、肉腫、白血病、しゅよう、ポリープ
・糖尿病、リウマチ、こうげん病、貧血症、紫斑病
・子宮筋腫、 子宮内膜症、 乳腺症、 卵巣のう腫
3 手・足の欠損または機能に障害がありますか。または、背骨(脊柱)・視力・聴力・言語・そしゃく機能に障害がありますか。

ワイド団信は、一般団信では加入が難しい高血圧症、糖尿病、うつ病等の持病を持った住宅ローン利用者でも加入できる場合があります。
過去に引受実績のある例は以下の通りです。(イオン銀行のサイトより)


おもな疾病のカテゴリー ワイド団信で過去に引受実績のあるおもな例
代謝異常による病気 糖尿病、脂質異常症(高脂血症・高コレステロール血症)、高尿酸血症・痛風など
心臓・血圧の病気 狭心症、心筋梗塞、不整脈、心房細動、期外収縮、心臓弁膜症、高血圧症、血栓性静脈炎(静脈血栓症)など
脳の病気 脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)、脳動脈瘤(脳動脈解離)、てんかん、ギランバレー症候群など
精神・神経の病気 うつ病・うつ状態、自律神経失調症、適応障害、不安障害、強迫性障害、パニック障害、睡眠障害、神経症など
食堂・胃・腸の病気 潰瘍性大腸炎、クローン病、逆流性食道炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、大腸ポリープなど
肝臓・胆道・膵臓の病気 肝炎・ウイルス肝炎(B型肝炎・C型肝炎)、肝機能障害、脂肪肝、胆石、胆嚢ポリープなど
呼吸器(胸部)の病気 喘息、気管支炎、肺炎、肺血栓塞栓症、結核、睡眠時無呼吸症候群など
目・耳・鼻の病気 緑内障、白内障、網膜剥離、難聴、副鼻腔炎など
ホルモン・免疫異常による病気 バセドウ病(甲状腺機能亢進症)、甲状腺機能低下症、リウマチ性疾患、橋本病、全身性エリテマトーデスなど
血液・造血器の病気・異常 貧血、赤血球・白血球の数値異常など
妊娠・女性特有の病気 妊娠、子宮筋腫、卵巣嚢腫、子宮頸部異形成、子宮内膜炎など

2.保障内容

ワイド団信の保障内容は、各金融機関毎に当該金融機関が提供する一般団信と同じです。住宅ローン利用者が死亡又は高度障害になった場合にその時点の住宅ローン残高に相当する保険金が支給され、住宅ローンの返済に充てられます。また、余命6ヶ月と診断された場合に住宅ローン残高相当額が保険金として支払われるリビング・ニーズ特約が付いている場合もあります。ワイド団信に加入する場合、0.3%の金利上乗せが必要になります。

種類 保険金支払事由
死亡保障 保険期間中に死亡した場合
高度障害保障 責任開始日以後に生じた傷害または疾病が原因で、保険期間中に所定の高度障害状態になった場合
【所定の高度障害】
・両眼の視力を全く永久に失う
・言語またはそしゃくの機能を全く永久に失う
・中枢神経系または精神に著しい障害を残し、終身常に介護を要する
・胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要する
・両上肢とも、手関節以上で失ったかまたはその用を永久に失う
・両下肢とも、足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失う
・1上肢を手関節以上で失い、かつ1下肢を足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失う
・1上肢の用を全く永久に失い、かつ1下肢を足関節以上で失う
リビング・ニーズ特約 保険期間中に医師の診断書などで保険会社により余命6ヶ月以内と診断された場合

3.上乗せ金利

上乗せ金利は、多くの金融機関で0.3%です。

4.年齢制限及び特約

各金融機関のワイド団信の年齢制限及び特約は、下記表の通りです。

金融機関 加入時年齢 完済時年齢 リビングニーズ特約
じぶん銀行 65歳未満 80歳未満
住信SBI銀行 取扱なし
ジャパンネット銀行 65歳未満 80歳未満
三菱UFJ銀行 50歳未満 80歳未満
りそな銀行 70歳未満 80歳未満
新生銀行 取扱なし
常陽銀行 50歳以下 80歳未満
ARUHI 65歳以下 81歳未満
イオン銀行 50歳未満 80歳未満
楽天銀行 取扱なし
ソニー銀行 50歳未満 81歳未満

5.ワイド団信で注意すべきポイント

(1) コストがかかる

ワイド団信への加入には通常0.3%程度の金利上乗せが必要になります。

(2) 引受基準が明確ではない

どの程度の症状であれば加入できるのか明確な条件が公表されていないため、実際に申し込んでみないと加入可否が分かりません。

(3) 金融機関が限定される

ワイド団信を取り扱っている金融機関は限定されます。

6.その他

一般団信にもワイド団信にも加入できない場合、住宅ローンを借りるには選択肢はフラット35しかありません。

7.まとめ

以上のようにワイド団信は、持病をお持ちの方でも加入いただける加入条件が緩和された団信です。一般団信の加入ができない方はまずどの銀行がワイド団信を取り扱っているか確認した上で、住宅ローンを選びましょう。

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